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主にフランスの流れを汲むクラブミュージックに関する雑記です。

Justice / D.A.N.C.E.



Justice / D.A.N.C.E.

「Dex Pistols」のツアー・ファイナルにも出演した「80kidz」のAliくん主催の「kidz.rec」に来週火曜、KodaiRideくんとのDJユニット「Kinkies」で参加します。
(場所はここ、イベント詳細はこちら。)

なんとエントランス・フリーらしいので水曜休みの人は一緒に遊びましょう!
他の出演DJが実はかなりヤバめなので楽しみです。
タイムテーブルはわかり次第追加します。
(5/26追記:どうやら出番は八時ごろになりそうです。日帰りでもどうぞ!)

ちなみに今のmyspace用の画像は非常口をパロったデザインになってますが、これは以前相互リンクしている「BAZZXXXXX」のBAZZさんから頂いたもので、たまたま今回のイベントが非常口ということで使わせていただいてます。

あとだいたい十日もすればデビューアルバム「†(タイトル未定じゃなくて不定)」が発売される「Justice」の先行シングル。
もう数ヶ月前からネット上に音源が出回っていたのであまり新譜という感じもしないのですが改めて。

前作「Water Of Nazareth」は「We Are Your Friends」のイメージを完全に払拭するに成功した最高にダーティーでマッド、でも尚且つ踊れる変態なトラックでしたが、またまた予想もつかないような大転換を見せた「D.A.N.C.E.」。
「Jackson 5」のトラックだよと言われてもおもわず信じてしまいそうな比較的オーソドックスなソウルといった感じ。
既に数多のDJによって様々なブートのRemix等がプレイされています。

ところでこのまるで子供の声のようなボーカルですが、これはどこかの子供に歌わせたんじゃなくて普通に歌ってキーをあげたんだろうと予想しています。
また特に「featuring」のクレジットがないことからおそらく彼ら自身が歌っているんじゃないでしょうか。
そうだとすると「Xavier」のほうだと思いますが、もし「Gaspard」(ひげの方)だったらちょっと気持ち悪いですね。

5/27追記:cisumonさんのコメントによれば実際のロンドンのキッズたちが歌っているようです。

そして同時収録の「B.E.A.T.」はタイトルこそ違いますが、「D.A.N.C.E.」の自身による「Club Mix」とでも言うべき代物。
BPMをフロア対応に速め、バッキングがあたかも「Daft Punk / One More Time」のような質感の歪んだシンセorサンプルのカットアップ。
このカットアップのクセはいかにも「Justice」といった感じ。
たぶんフロアでよく聴く事になるのは間違いなくこっちの方です。

ちなみに既に限定で発売済みの「Phantom」も収録されています。

ただやはり意識せずか否かはさておき、「Digitalism / Pogo」よろしくアルバムに先行する形でボーカルトラックがリリースされた訳ですが、その「Pogo」が一聴してすぐ入ってくるようなキャッチーさを持ったトラックだったのに対し、この「D.A.N.C.E.」はとりたてて奇抜なわけでもないポップなトラックにも関わらずやはり若干の違和感が残る感触を持っています。
これが前回触れたようなことに関係するかはわかりませんが、やはり「Kitsune」と「Ed Banger」、「Gildas」と「Busy P」そして「Digitalism」と「Justice」の対比はちょっとおもしろいなと思います。

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  1. 2007/05/25(金) 19:41:45|
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Digitalism / Idealism



Digitalism / Idealism

少し前に「Disco Damage」って言うアーティストがmyspaceでフレンドリクエストをくれたんですが、そのときに彼らのトラックを聴いてみていじってみたら面白そうだなと感じたのでお気楽にそんなコメント書き残してたら、わざわざDVDでRemix用の素材を送ってくれました。
確かにネット上で海外のアーティストとのやりとりは増えたんですが、こうして向こうから実際に物が空輸されて来ると少し不思議な感じがします。
とりあえずその気持ちに応えられるようないいRemixを作りたいなあと思っています。

1.Magnets
「Jupiter Room」系のリングモジュレーター系の質感のディストーションシンセにボコーダーが入ってくるトラック。
今までこんなに大胆にボコーダーとか使ってこなかったよなーとか思いつつ、掴みからかなりいい感じ。

2.Zdarlight
今まで三つのRemixバージョンごとにアナログがリリースされた彼らの代表曲と言ってもいい「Zdarlight」。
アシッドな感じの地味な展開から、ブレイクのギターで一気に盛り上げます。
ところでようやくわかったんですが「Zdar」は「Star」のことらしいです。

3.I Want I Want
前トラックのギターフレーズがそのままピッチを早めたところにボーカルが入ってきます。
ここがなにげにこのアルバムの中で一番面白いところでした。
要はタイトルには全く表れていませんが要はボーカルをフィーチャーした「Zdarlight」。

4.Idealistic
彼らのデビュートラック。
どうやらバージョンが違うらしく派手目に味付けされています。
アルバムタイトルとの相関も見られるので、やはり彼らにとって重要なトラックであることに変わりはないようです。
途中に入ってくる「Blue Monday」リズムのキックはもはや「New Order」へのオマージュでしょうか。

5.Digitalism In Cairo
まさかこれがアルバム収録になるとはと言った感じでしたが、「The Cure / Fire in Cairo」のブートRemix。
自分も前にこのアナログをDMRで購入しました。
しかし楽曲の半分以上でサンプリングを使用している「Daft Punk」の元マネージャーの「Gildas」だけあって版権関係はお手のものなんでしょうか。
ただこれも若干のアレンジが加えられている模様。

6.Departure From Cairo
ドが付くほどキャッチーな「Pogo」へ移行するに当たっての間奏。
カイロというタイトルからなのか妙にエスニックなストリングス・トラック。

7.Pogo
このアルバムの先行シングルとなったトラック。
もはや説明不要、イントロから必殺と言った感じの哀愁感。
このトラックから彼らのファンになった人も多いはず。

8.Moonlight
またまた「Zdarlight」の別バージョン。
ストリングスが入ることによってセンチメンタルさが強調された非ダンサブルなアレンジ。
「Star(Zdar)」に対して「Moon」なのでなんとなくそんな感じ。
この関係性、どうにも「Dimitri From Paris」のあれを思い出してしまうんですが気にならない人はスルーの方向で(笑)

9.Anything New
彼らにしては結構ハードめなロックトラック。
これまた普通にボーカルをフィーチャーしていて格好いい。
途中に入ってくるベースがSonyの携帯のCMでも使われた「Bongo Song」でおなじみ「Zongamin / Serius Trouble」っぽい。

10.The Pulse
実はこのアルバムの個人的な一押し。
「Daft Punk / Superheroes」に通ずるようなアルペジオ・シンセフレーズが印象的なエレクトロトラック。
もう北欧のお株奪ってます。

11.Homezone
謎のラップ?をフィーチャーしたトラック。
どことなく感じられるシカゴな匂いといい、フレンチ・エレクトロの彼らなりの解釈と言ったところなのかも。

12.Apollo-Gina
結構おとなしめなボーカルトラック。
「Pogo」とこのトラックだけ好きって人も結構いそうな感じ。
センチメンタルって言う表現も飽きてきたんですが「Phoenix」で例えると1stよりも2ndに近い感じ。

13.Jupiter Approach
表題通り、次トラック「Jupiter Room」への間奏。

14.Jupiter Room
「Zdarlight」に続いて三番目にリリースされたトラック。
詳しくはこちら
「Star」、「Moon」、「Apollo」となんだかんだ彼らは宇宙が好きな模様。

15.Echoes
てっきりアウトロ的なトラックかと思いきや割りとファンクっぽいグルーヴのトラック。


総じてみて、期待を上回る非常にいいアルバムだと思います。
非常にキャッチーに仕上げられているので、「Maison」シリーズを聴いていたリスナーだけでなくもっと広い裾野で受け入れられそうです。
(実際ラジオで「Pogo」を聴いてアルバム購入した人も多いようです。)

正直今までのアナログリリースにおける「Digitalism」の印象はいい仕事をするけど少し地味ってな感じでした。
(「Digitalism」は日本では「卓球」、「Kagami」とテクノ方面受けがわりとよかった気がします。)

それを思いっきり覆してくれたのがこのアルバムの先行シングルに当たる「Pogo」でしたが、アルバム自体ここまでポップに仕上げてくるとは思ってませんでした。

そういう訳で「I Want I Want」を「Zdarlight」のリリース段階でB面辺りに収録しておけば、もう少し早い段階でロックサイドのリスナーにもアピールできたと思うんですが如何なもんなんでしょう?
これも「Gildas」の計算のうちなんでしょうか。

あとあえて言うなればその少し口当たりがよすぎるところがこのアルバムの難点でしょうか。
あまりにも今にフィットしすぎていると言うか。
本当に先駆性のある作品は、どうしても消化しづらい部分、少しの違和感を伴なうような気もします。
そんなところも踏まえて、来月六日発売の「Justice」のアルバム「†」が楽しみです。

ところで余談ですが邦題の「デジタル主義」。
販売元がEMIでおもいっきり「Daft Punk」を意識したのは間違いないんでしょうが、これが誰の主導で行われたのか気になるところ。
話題性ってやつなのかもしれないですが、正直「Daft」のときからこれ好きな人いるんでしょうか。
第一どう訳したら「Idealism」が「デジタル主義」になるのか訊いてみたいもんです。
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  1. 2007/05/18(金) 14:01:06|
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Klaxons / Gravity's Rainbow (Soulwax Remix)



Klaxons / Gravity's Rainbow (Soulwax Remix)

blog繋がりのlunemusique女史の紹介で知り合ったアルゼンチンのエレクトロ・アーティスト「Lovely Chords」の「We Push Up On Frenchies」をRemixさせてもらいました。

このトラックはまだアナログも出てないんですが既にいろんなDJにプレイされていて、詳しい事情はわからないんですが「Ed Banger Night」なんかでもプレイされたらしいかなりヤバめのトラックです。
オリジナルがかなり格好いいので結構苦しみましたが、割と好意的な意見が頂けて嬉しく思っています。
(あとびびんばさんも絶賛するスウェーデンのアーティスト「Fujasaki」君のRemixも聴けます。)
是非まとめてチェックしてみてください。

Lovely Chords / We Push Up On Frenchies (Lapin Remix)
Lovely Chords / We Push Up On Frenchies (Fujasaki Remix)
(追記:残念ながら微妙なタイミングでリンクが切れてしまった模様。とりあえずLovely ChordsのMySpaceで聴いてください。)
Lovely Chords / We Push Up On Frenchies (Original)

ところでこの「Gravity's Rainbow」の「Soulwax Remix」、既にネットで聴けるようになっていたのでご存知の方も多かったと思います。
自分もそんなアナログ化を切望していた一人でした。
ご覧と通り果たして画像を載せる必要があったのかと悩んでしまう程の白盤ですが、どうやらブートではなくてプロモ扱いな模様。

実はこのRemix、CDシングルに収録されているものとは若干異なり、ボーカル部分がボコーダー処理されたものに差し替えられたDub Mixになっています。
ちなみに先日Busy Pが来日していたときにかけていたのもこっちでした。

このトラックを一聴してヒットさせる気マンマンだなと思ったのがイントロからのボンゴ使い。
「Bongo Song」、「Ny Excuse」、「Popper」と来て「MSTRKRFT」でそろそろお腹いっぱいかなと思ったりもしたんですが、どうやらまだいけました。
そして「Soulwax」節な感じの不穏な雰囲気漂うベースラインとその真骨頂、不協和音気味に荒れ狂うシンセ。
もう言うことない感じです。

ただCDのバージョンは他の数多あるRemixと比べ原曲の雰囲気が非常に残っている、かつフロアにもきっちり対応した仕上がりになっているのでそっちの方がよかったんじゃないかという気もします。
両方入っていればなおよかったんですが。
こっちもこっちでアナログがリリースされている模様。これも同じく白盤ですがこれはブートかも知れません。)

またB面にはなんとこのタイミングで「Todd Edwards Remix」収録!
ボーカルは一回ボコーダー通しているのか、ないしはオートチューンで音程変えまくっているのか「Phoenix / If I Ever feel Better」のときと同じような処理。
そして全体のトラックの造りは2001、2002年頃の芸風からまったく変わってません。
せめてベースの輪郭を立てたりと今の音に少しアジャストしてくれればもう少し使いやすくなったと思うんですが。
昨今のカットアップ・ブーム、そしてそのセンスでは「Surkin」すらまったく及ばない極北にいると思うだけに少し残念ですが、そのブレないところが彼のよさだったりするかも知れません。

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  1. 2007/05/11(金) 15:21:51|
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Tiga / You Gonna Want Me Remixies



Tiga / You Gonna Want Me Remixies
monsieur pと言うフランスの音楽blogで拙作「Galaxie」をRemixしてくれたオーストラリアのアーティストBlazeに便乗する形で紹介していただきました

「You Gonna Want Me」、オリジナルのリリースからもう一年以上も経つんですね。
時の経過は早いものです。
(ちなみにオリジナルについてはmatsさんのレビューを参照下さい。)

トラックは「Soulwax」が担当、サビは「Scissor Sisters」が歌っていたりと非常に豪華な作りの割りに「Pleasure From The Bass」、「Louder Than A Bomb」、そしてまた今現在ロングランヒット中の「Move My Body」なんかに比べるとそこまでフロアでの存在感はなかったような記憶があります。
実は「Tiga」の作品の中で一番好きなトラックだったりするので、このタイミングでのRemix盤の発売は非常に嬉しかったりします。

しかしなぜ今リリースなのかと言うことですが、おそらくこの「Van She」のRemixは少し前からネット上で耳にすることができたのでこれありきなんじゃないかと思っています。
こういうメインストリームとの若干のズレがオージーや北欧なんかのローカルシーンの面白みの一つですね。

「Van She」についてはもう説明不要かもしれませんが念のためおさらいしておくと、おそらくインディペンデントなレーベルとしては「Ed Banger」に次ぐないしは同等の影響力を持つであろうオージーのレーベル「Modular」の若手筆頭であり、まずあの「Kitsune」から「Klaxons / Gravity's Rainbow」のRemixでヒットを飛ばすと、今度リリースしたデビュー曲「Kelly」はアンセム化。
そして最近では「Bang Gang」と絡んで大胆にもあの「Around The World」のバンドカバーをリリースして話題になりました。

前述の仕事が同一人物とは思えない程芸風が異なり、またそれぞれ素晴らしいという半端じゃないポテンシャルを持っています。

今回のRemixですが、どれかと言えば「Around The World」の時と同じようなバンドカバーに近い仕上がり。
ただそれがオリジナルのボーカルと愛称抜群でめちゃくちゃ格好いいです。
特にサビの部分で入ってくるディストーションギターが入ってくるんですが、それが展開にメリハリを効かせていて非常に盛り上がります。
またさすがは「Van She」仕事、バンドカバーと言ってもボトムはしっかりフロアマナーに従っているので非常に使い勝手もよいです。
これ、インパクトの割りに実際いまいちノリづらかった「Around The World」のカバーより全然いいんじゃないでしょうか。

そして一応A面にRemix収録の「Tocadisco」、詳しく知らなかったんですがこれまたなかなかの好Remix。
(この「Tocadisco」、matsさんが絶賛してたりします。)
非常に使い出よさそうなトラックです。
意外とこっちの方をこれからクラブでよく耳にしたりするかもしれません。
ただ「Van She」のバンドカバーと比べてしまうとどうにも地味な印象が拭えない気もします。

欲を言えば最近外れのない「Soulwax」にこのタイミングでセルフRemixなんかしてもらえたらなお最高でした。

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  1. 2007/05/04(金) 16:43:25|
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