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主にフランスの流れを汲むクラブミュージックに関する雑記です。

MSTRKRFT / The Looks

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MSTRKRFT / The Looks

突然ですがHMVのネット通販の話。
アナログでも送料300円と言う破格で初めての利用なら送料無料、おまけにアナログ2枚以上買うと2割引キャンペーンをやっていたりとかなりお得だったりします。

意外とラインナップも充実してたりするので、他の通販を頼む前に一回ここで探してみてもいいんじゃないかと思います。

そしてそのHMVの通販を利用してこの「MSTRKRFT / The Looks」のアナログを注文したんですが、一向に届く様子がない。
理由は入荷が滞ってるとのこと。
注文したときは在庫ありだったんですが、もしかしたら何らかの事情でプレスが遅れてたりするのかもしれないので仕方がなくCDの方を先に購入しちゃいました。

そんな訳でなんとなく各曲レビュー。

■Work On You
いきなりしょっぱなのシンセ音からかなりの期待感をもたされたこのトラック。
ただメロディックなボコーダー使いはいいんですが、ベースラインが少し淡白なのでなにか物足りない感じも。

ちなみに「CUT COPY」が最近リリースした「FABRIC. 29」と言うmixCDにも収録されてます。
どうやら「Easy Love」に続いてのシングルカットだったみたいです。
(全然アナログは見かけませんが。)
myspaceをみると「ED BANGER」周辺でおなじみ「Para One」のremixが聴けたりします。

■Easy Love
先行シングルとして既に話題だったこのトラック。
という訳で以前12inchがリリースされたときにレビューしてるので詳しくはそちらで。
つかみはすごくいいんですが、その代わりちょっと飽きやすいかもしれないです。
と言うか正直今現在ちょっと飽きてます。散々聴いといてなんなんですが(笑)

■She's Good For Business
正直ちょっとメインでフィーチャーされている女性のボーカルネタが得意じゃないです。
どのくらい得意じゃないかというと、思わず次のトラックに飛ばす程度です。

■Paris
他のトラックに比べ割と異質なトラック。
他の曲に見られるようなメロディックな展開はないです。
ダークなベースライン、ロックなハイハット使いといい、丁度「Justice / Water of Nazareth」や「Digitalism / Jupiter Room」なんかと近い方向性を持っているかもしれません。

「Easy Love」がリリースされる前から彼らのmyspaceにアップされてました。

■The Looks
アルバムの表題曲。
なんとも言えない格好いいシンセ音から始まるこのトラック。
(もしかしたら強烈にエフェクトしたベース音なのかも。)

かなり格好いいトラックですが、上ものに使用されているトーキングボックスが個人的に苦手なのがなんとも残念。

■Street Justice
男性の声ネタをフィーチャーしたトラック。
やっぱりベースラインが少し淡白なのが物足りないです。

■Bodywork
またまたボコーダーをフィーチャーしたトラック。
「Easy Love」程のパンチはないです。

■Neon Knights
これまた少し毛色が違うトラック。
「Daft Punk」の「Rock'n Roll」なんかに似ているという意味では「Paris」とは方向性的に近いかもしれないです。
ただ「Daft」や「Digitalism」の暴れっぷりからすると音色がだいぶ大人しいかもしれません。

あと途中で入ってくる割とダサめが今っぽい感じのスネアロールの質感の辺りはやはりそつないです。


総じてみて個人的にはそんなに多くない聴けるアルバムの一つではありますが、良くも悪くも器用にまとまってると言った感じです。

わりとこうして辛口になってしまった理由として「Wolf Mother / Woman」の彼らによるremixが「Kitsune Maison 2」のCD盤の1トラック目に収録されていたりと、既に彼らがリミキサーとしての確固たる評価が確立されていると言うのが前提としてあるかと思います。
(その他錚々たる面子のremixをやっているので、彼らのサイトの方を見てみて下さい。)

そして何故だか「Easy Love」以外では全体に淡白だったベースラインもremixの場合わりとよく動きますし、主にベースはシンセじゃなくてエレキを用いてることが多いです。
そしてそのエレキの音色がまたシンセでで淡白な雰囲気になりそうなところへいい感じのアクセントになっていたりします。

もしかしたらこの人達はソング・ライティングよりトラック・メイキングの能力に圧倒的に秀でてるのかもしれないです。
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  1. 2006/08/25(金) 16:34:16|
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Daft Punk Alive @Summer Sonic Tokyo 12 Aug 2006

■Around The World ~ Harder Better Faster Stronger


■One More Time ~ Aerodynamic


もっと見たい方はこちらから
YouTube Daft Punk Summer Sonic

なんだかこのライブ、言葉で説明してもしょうがない気がしたので前からやってみたかったYouTubeの埋め込みをしてみました。

下に自分で確認できた範囲のプレイリストを乗っけてみましたので、訂正などあればお願いします。
(ただかなりmash up状に楽曲が入り乱れてるので、その辺は適当です。)

こうしてみると主体となっている3rdとより統一感のある1stよりも、2ndのトラックが多めなのがなかなか意外です。

あと手抜きっぽいですが「Summer Sonic」のレポは以下のサイト等をご参照ください。

EARN ENOUGH FOR US DAFT PUNK / MUSIQUE VOL. 1 1993-2005
http://mats3003.exblog.jp/4116913#4116913_1

ふぃーりん☆ナウ サマソニ06見聞録
http://feelinnow.blog52.fc2.com/blog-entry-218.html

↓Play List
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  1. 2006/08/18(金) 17:33:03|
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Phoenix / if I Ever Feel Better

ifieverfeelbetter

Phoenix / if I Ever Feel Better

本多俊之 / lament(サンプリング元)

全然関係ないのですが、どうやら9日にshop escalatorにdaftのThomasが来店したとのこと。
その日自分が居合わせる可能性はゼロに等しかったですが、なんだかめちゃめちゃ悔しいです。

そして今晩も、
仲日記 8/11:
中略
そして今晩は品川の船上でのコレットパーティ。PEDROやKITSUNEやMARCOのDJに加えメインでダフトパンク登場そして松本零士先生のドローイングがあるらしい。

http://shop.escalator.co.jp/

だそうです。
本当船さえわかれば潜入を試みたかもしれません(笑)

余談はこの辺で。
おそらく1999年ぐらいに発売されたであろうこのアナログ。
自分は2001、2002年ぐらいに当時まだ健在だった「Zest」にて購入しました。

個人的にこのトラックはRemixを含め五指に入るほど好きです。
あらゆるジャンルを含め、思い入れは一番深い曲と言っていいかもしれません。

しかし何故これを今更取り上げるのかと言えば、最近エレクトロクラッシュのパーティーでこのトラックの「Buffalo Bunch」によるRemixをわりと耳にするからです。
(matsさん曰くは先日のフジロックにて「2 many Djs」もプレイしていたようです。割とローファイ感のある王道フレンチハウスなので、今のエレクトロなシーンでは使いづらいと思うのですが。)

まず原曲、割と意外に感じる人も多いかと思いますがサンプリングを使っています。
果たしてどこがサンプリングなのかと言うとやさしい丸みを帯びた音色のアルペジオギターのフレーズです。
確かにこの音がトラックのなんともいえないセンチメンタルな空気感を生み出しているように思えます。

さらに興味深いのはそのサンプリング元が日本人である「本多俊之」と言う人の「lament」と言う曲らしいと言うことです。
個人的に外国人アーティストによる日本人の楽曲のサンプリングと言うのは他に聞いたことがありません。
こんなところに音楽に対してボーダーレスな彼ららしさが垣間見えるかなと思ったりします。

そして今回の主役「Buffalo Bunch」によるRemixはと言うと、原曲のボーカルの端っこの方の「I can't try..」と言うフレーズを大胆にピッチを上げてループさせ、先のサンプリングを含むフレーズを再構成したものに、おそらく「Paul」の演奏であろうメロディックなベースラインが展開します。
まさにフレンチハウスの最高傑作といっていいようなトラックです。

あともう一つ忘れてはいけないのが、「Daft Punk」の2nd「Discovery」の「Face To Face」を共作した事でもおなじみ「Todd Edwards」によるものです。
最近残念ながらあまり活躍をみませんが、個人的には彼は他に類をみない稀有な才能の持ち主だと思っています。

あの独特なカットアップ、再構成のセンス、大胆なボコーダー、オートチューン使い、そもそも先の「Discovery」の作風自体彼の影響なしにはありえなかったものと思います。
そしてこのRemixもおそらく彼のベストワークの一つです。

そんな三者三様の色を持ち、捨てトラックのないこのアナログは紛れもない名盤と言っていいと思います。
同じく「Phoenix」の「Too Young」のアナログの中古盤にこの前「Disc Union」で何を血迷ったのか3000円の値がついているのを見かけましたが、この「if I ever feel better」に関しては幸いにもこれは最近また新規に流通しているようなので普通に購入できると思います。

明日はいよいよSummer Sonicですが、この「if I ever feel better」を生で聴けたら本当に泣けそうです。
  1. 2006/08/11(金) 20:47:15|
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Justice Vs Wildchild / Renegade Of Nazareth

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Justice Vs Wildchild / Renegade Of Nazareth

Mash Upを作るときの動機としてその曲をかけたいけれど、アナログを持っていない(でもCDの音源は持っている)という事が多いです。
なんかCDでそのままかけるのってちょっと悔しい感じがすると言う感じでしょうか。
(アナログを買う理由を否定される感じが大きいのかもしれません。)

そんな訳で今回は今更「Wildchild / Renegade Master (Fatboy Slim Mix)」が気になったと言うのがそれです。
そして丁度前々から声ネタを乗せたいと思っていた「Justice / Water Of Nazareth」に混ぜてみました。

でも少し卑屈になると丁度そんなイメージで、ある意味本家のトラックとして「Franz Ferdinand / Fallen (Justice Remix)」があるので存在意義が微妙かなとか思ったりもしますが、あのトラックはあまり人を選ばず受けがいいと言うかなりスペシャルなものなので、これもそんな文脈で気に入ってもらえたらいいかなとポジティブに捉えてみる事にします。
  1. 2006/08/06(日) 15:45:09|
  2. mash up
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Digitalism / Jupiter Room

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Digitalism / Jupiter Room

先週の金曜「2manyDjs」を見に「womb」に行ってきました。
前回紹介した「Justice / Water Of Nazareth」、「2manyDjs」はやっぱり期待を裏切らずかけてました。
前座の「Dex Pistols」もかけてたので少なくとも二回聴けましたが、大沢氏もかけてたかもしれないですね。

実は自分はフレンチハウスの衰退とエレクトロクラッシュの台頭の間の丁度空白期間から2年ぐらいの間音楽から離れてしまってたので、エレクトロクラッシュに関しては完全に追っかけになってしまっており、いまいちどの辺がロックなのかつかみきれてない部分がありました。

しかし今回のイベントで「Justice / We Are Your Friends」のフレーズをみんなで叫びながら縦ノリな感じになっているのを体感して、ようやく少しだけわかったような気もします。
(今まで正直このトラック少し暑苦しいとな思っていたんですが、やっぱり名曲です。)

それではようやきに本題です。

先のイベントでも「Justice / Water Of Nazareth」に負けず劣らずヘビープレイされていたこの曲。
「Kitsune Maison 2」にも収録されていることでアナログ嗜好がない方にも少しおなじみかもしれないです。

またアナログの方では「Wolf Mother / Woman (MSTRKRFT Remix)」が収録されていないことを考えると、ある意味目玉です。
(この「Wolf Mother / Woman」のアナログはHMVのいくつかの店舗で7inchが入荷しています。B面にこの「MSTRKRFT」によるremix収録のものとあの「Avaranches」のremix収録のものがありますが、各700円ぐらいなので見かけたらまとめ買い推奨です。)

トラックはと言うと人の声でリング・モジュレーター(と言うよりもボコーダー?)をかけたような不思議な音と「Digitalism」お約束のアシッドな感じのシンセでまったりとはじまり、やはり彼らお約束の長過ぎるブレイクで「Daft Punk」の「Rollin' & Scrachin'」や「Vitaric」に通じるような荒れ狂うディストーションがかったシンセで一気に最高潮まで持って行きます。
(この辺は是非クラブで体感していただきたいです。)

ただ「Idealistic」の声ネタ、「Zdarlight」のメロディックなギターリフのような花のあるパートがないので彼等のトラックでは一番地味と言えば地味かも知れませんが個人的には一番好きです。

そしてやっぱり気になるタイトル。
この「Jupiter」は木星なのかローマ神話の主神の事なのかどっちなんでしょうか。
(トラックに雷鳴をイメージしたような感じを受けるSEが入るので、雷の神でもあった「Jupiter」を指しているのかなという気もするんですが。)

あと彼らはMixに仰々しい名前を付けるのが好きみたいなんですが、今回も発表されているのはオリジナルmix扱いでなく「Martian Assault Edit」となっています。

これは直訳すると「火星の襲来Edit」とでもなるんでしょうが、「Jupiter」が木星のことでなかった場合は、やはりローマ神話の「Mars」の事になるのかもしれません。
(「Mars」は戦の神ですし。)

でもやはり神様だと「Martian」でなく人称的な表現、「Mars's~」とか「~of Mars」になる気がするのでやっぱり単純に惑星モチーフなのかもしれないですね。
(個人的には神話ベースであった方が聖書より引用の「Water Of Nazareth」共々おもしろいんですが。)

あと本人達はほとんど意識してなさそうですが「Justice」と「Digitalism」の対比はやはり面白いです。
「Daft」のマネ「Pedro」がプッシュする「Justice」と、同じく「Daft」の「Thomas」のレーベル「Roule」、今の「Kitsune」のマネージャーである「Gildas」がドイツ発の「Daft Punk」と太鼓判を押す「Digitalism」。

今はまだ「Justice」が先行している感はありますが、「Digitalism」の方がまだ見ぬ引き出しを持っていそうな気もするのでこれからの彼らも眼が離せません。
  1. 2006/08/02(水) 12:28:04|
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