ecrits

主にフランスの流れを汲むクラブミュージックに関する雑記です。

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doctor pressure と demon

doctor_pressure

突然ですが、有線のCG-4chでフランスのFMラジオ局「NRJ-FM」を聴くことができます。

もちろん音楽以外は「ボン・ジュール」ぐらいしか聞き取れないんですが、なかなか向こうの生のムーブメントに触れる機会もないのでその選曲は結構興味深いです。

最近よく耳にするのは「mylo」の「doctor pressure」「madonna」の「hung up」
懐かしいことに「one more time」が聴けたりもしました。
そして「doctor pressure」がヘビーローテされているところを見ると歌ものの強さ、クラブとラジオの媒体としての需要の違いを再認識させられます。

そんな「doctor pressure」、これは「mylo」の大ヒットトラック「drop the pressure」と80年代を中心に活躍したアーティスト「miami sound machine」の「DR. beat」をmash upしたトラックですが、これ自身「mylo」のアイデアによるものではありません。

ライブツアー中にブライトンを訪れた「mylo」がそのプロトタイプにあたるbootleg盤を手渡され、それを気に入った「mylo」がみずからmixしなおしたというのが今リリースされているそれです。

既に様々なDJの間でそのbootleg盤の方がスピンされていたようで、このシングルより先んじてリリースされた「mylo」彼自身のmixCD「drop the dj mix」にもこのトラックが収録されていますが、それもまたbootlegの方です。
実際CDのクレジットにはおそらくbootleg盤を製作したのであろう「Ian & Dog」の名義が表記されています。

通常の感覚からいけばこのbootleg盤の製作者は勝手に二つの曲をコピーして配布した事になり著作権違反を問うには十分です。
それに対する「mylo」の柔軟な対応の中に、他者の曲をサンプリングすることなしには成立し得ないハウスのイデオロギーを感じたりします。
(正規盤のリリースに関して、たまたま「mylo」と「miami sound machine」の所属が同じくEPICであったため、話がスムーズに展開したと言う事情はあるわけですが・・・)

そしてこの一連のエピソードから思い出されたのは元「daft crew」でフランス人アーティストの「demon」です。

彼は若干20歳にして、その若さからは想像もつかないような完成度の高いアルバム「midnight funk」をリリースしました。
ローテンポで渋めのトラックが多い中、ボーカルネタをフィーチャーした割と派手めなハウストラック「you are my high」が翌年シングルカットされるとそれが大ブレイク。
これはフレンチシーンを紹介すべく作られたコンピレーションCD「my house in montmartre」にも収録されている程です。

あと日本とのつながりと言う意味ではフレンチの重鎮「alex gopher」とのプロジェクト「wuz」、この代表曲「use me」のremixを「fpm」に依頼しています。

当時フレンチのハウサーから日本人アーティストに正式に依頼があったのはこれが初めてのような気もします。
(もちろんその頃それと平行して来日してDJをしたりしていたことも含めて、彼らのアルバムの日本に対するプロモーションのためと考えられなくもないですが。)

そして先に紹介したシングル「you are my high」ですが、これもヒット曲の常、原曲のベッタリしていたベースを刻み、よりキックとスネアの輪郭をしっかりさせてフロア向けにアレンジされたbootlegのremix盤が出回りました。

「demon」はそれを聴いて気に入り、自分のレーベルから改めてリリースしたのです。
これには当時なかなか粋なことするなあと感心させられたものです。
「doctor pressure」リリースの顛末を見て、まさにこのことを思い出してしまったのでした。
(ちなみにこのbootlegのバージョンと「wuz」の「use me」とを、あの梶野氏のmixCD「de la musique」で偶然にも一度に聴くことができます。
またこの「the bootleg version」が収録されていた同じアナログに今では時の人「vitalic」のremixが収録されています。当時としては割りと先見性のあるチョイスだったのではないかと思えます。)

当時「daft punk」を超えて新しいポップ・イコンに成れる可能性があるのは彼しかいないとか期待したものですが、実際には「daft punk」の「face to face」のremixを聴いたのを最後にあまり音沙汰を聞かなくなってしまいました。
(一応彼のサイトは更新されていますし、さほど話題にはなっていませんがリリースもしているようです。)

そして皮肉にも今その位置に「mylo」がいるような気がします。

ポテンシャル、センス、先駆性では決して彼に引けをとってないと思える「demon」。
西麻布のYELLOWで「you are my high」、「if I ever feel better(buffalo bunch remix)」、「vertigo」と言ったフレンチヒットを次々とかけて無邪気にはしゃいでいた彼の姿を思い出すにつけ、どうにかもう一旗上げてくれないものかなと思ってしまう次第です。
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  1. 2005/12/26(月) 16:11:33|
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les rythmes digitales a.k.a. jacques lu cont

jacques_your_body

ここのところずっと気になっていた奇妙な現象が一つありました。
1999年にアルバム「dack dancer」をヒットさせてから、そういった他のハウスアーティストの例に漏れずだんだんとその存在がフェードアウトして言ったように見えた「les rythmes digitals」が、最近再評価を受けているのです。

具体的には「mylo」が影響を受けたアーティストに彼をいの一番にあげていたり、おそらく今一番勢いのあるDJ「2manyDJ's」こと「soulwax」もリリースから5年以上も経つ当時の彼のトラックをスピンしていました。
そして極めつけはシトロエンの車がロボットに変形することで最近話題をさらった現地CMのBGMに、やはり彼の当時の作品「jacques your body(make me sweet)」が使用されていると言うのです。
一般にこうした現象はクラブシーンにおいてあまり見られない事に思えます。

個人的なことですが、確かに当時のアルバム「dark dancer」は非常によく聴いたうちの一枚でした。
ややシンセの音が野暮ったく、エレクトロっぽ過ぎるかなと思いながらも非常にファンキーでポップな感じが非常に好みでした。
あとDJをやる折にも「cassius」の「feeling for you」の彼のremixには当時結構お世話になった記憶があります。
ただだんだんとその名を聞かなくなり、やはり消えていってしまったものと思っていました。

しかしこれがどうやら大きな誤解だったようです。
実は「les rythmes digitales」という名義で、本名は「jacques lu cont」であるかのように振舞っていますが、本当の本名は「Stuart Price 」といい、フランス人ではなくイギリス人です。
要は二重に名義を被っているような状態です。

どうしてそう名乗り続けているかは定かではありませんが、当時勢いのあったフレンチクラブシーンに対するオマージュであるというのは考えすぎでしょうか。
それだけでなく様々な変名を使うのが彼は好きなようで少し前は「zoot woman」、今は「thin white duke」と言った名義を使っています。
つまり彼は「les rythmes digitales」の名義を使わなくなっただけで、実はかなり精力的に活動していたようなのです。

まず2001年のあの「madonna」のツアーでタッグを組み、そしてそこから相思相愛の関係となったようで共同でCDの製作を行うこととなりました。
それがつい先日リリースされ、久々に世の話題をさらっているトラック「hung up」です。
確かに大胆なサンプリングによるトラックメイキングのスタイルはフレンチっぽいと思っていたのですが、それがまさか彼だったとはという感じです。

またremix活動の方も活発に行っていたようで、2004年にはグラミー賞に新設されたダンスミュージックの「Best Remixed Recording, Non-Classical」のカテゴリーを受賞しています。
(ちなみに曲はIt's My Life / No Doubt 。Thin White Duke名義でのremix)

ごく最近では「royksopp」の「what else is there」のremix、これが珠玉です。
実はこの盤を購入したにもかかわらず、mats3003さんの記事を読むまでこのリミキサーが彼であることにまったく気づいていませんでした。
(確かに「royksopp」の公式サイトを見ると「jacques lu cont remix」となっており、実際にリリースされている「thin white duke remix」が収録された盤についての記述が全くなかった理由が今更わかりました)

また勝手な早とちりで自分は「man with guitar」を「daft punk」と決め付けてかかっていましたが、それもまた「jacques lu cont」であるという意見の方がかなり有力なようです。

ちなみに今回の記事を書くきっかけを与えていただいた「mats3003さん」のサイトを紹介させて頂いておきます。
どうもありがとうございました。
http://mats3003.exblog.jp/
  1. 2005/12/22(木) 19:07:48|
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royksopp

royksopp_only_this_moment

mylo」より少しばかり先んじて音楽通から高い評価を受け、シーンの注目をさらっていた「royksopp」。
彼らは音楽的にはあまりメジャーではないノルウェー出身の二人組です。
その北欧独特のメランコリックでどこか不思議なメロディもさることながらそのジャケット等のアートワーク、これが秀逸です。
ジャケのデザインに関して言えば「nirvana」の「in utero」を初めて見たとき以来の衝撃でした。

1st「melody A.M.」ではインスト中心の構成でしたが、2nd「the understanding」はうって変わってボーカルをフィーチャーした作品が多くなっています。
これはライブにおいての歌の重要性がその理由であると言うのが本人の弁なのですが、結果的にポップさが増すことになったように思えます。
おかげでポップ好みの自分としては「daft punk」の2nd「discovery」以降の最も好きなアルバムになるかもしれません。

中でも特におすすめなのは2trの「only this moment」。
ポップながらも野暮ったくならないバランスが高いレベルで実現されています。
(実は上ものシンセはアイドル歌謡ギリギリと感じられる音なのですが、ボトムの音に四つ打ちではなくブレイクビーツを採用していることでバランスが保たれているような気もします)

「only this moment」を聴く

また今のシーンを語る上で無視できない「mylo」も彼からの影響を公にしていますが、「mylo」のデビューアルバム「destroy rock & roll」のそのおおよそ半分を構成しているメロディックかつチルアウト気味なブレイクビーツが「royksopp」を意識してからの作品でしょう。

そして彼らに最も共感することになったのは「幼い頃から短調のコードの方が心に響いた」と言う彼らのインタビューにおけるコメントです。
実は最近友人とこのような議題について話していた矢先だったのですが、自分もまさに幼い頃から晴れ晴れしい感じのオーケストラの有名な曲とかはどうにも苦手で、唯一チャイコフスキーの「くるみ割り人形(中国の踊り)」やエリック・サティの「ジムノペディ」等が心に響いたものでした。
そして意外とそれに共感してくれる人が少ないと感じていたからです。

最後に。
彼ら自身の音楽は純粋に「ハウス」と呼ばれるような四つ打ち主体のものではないにもかかわらず、そのリミキサー陣がほぼ一律そういったカテゴリーに属する人々なのは非常に興味深いところです。
加えて個人的に贔屓だった人が多かったりもするので、そういった人を中心に少しピックアップしてみたいと思います。

■alan braxe
「daft punk」のノッポのほう「thomas bangaltar」と共に「music sounds better with you」と言うその後の音楽シーンの80's傾向を決定づけたと言っても過言ではないモンスタートラックを生んだのが彼です。
「only this moment」と彼らがプロデュースした「annie」の「heartbeat」のremixワークを担当しています。

■mylo
「annie」の「chewing gum」のremixを担当しています。
このあと「mylo」は「guns'n roses」の「sweet child o mine」の女性ボーカルカバーの楽曲権利を買い取りremixをして自身のレーベルからリリースしていますが、この「annie」のremixで何らかの手ごたえを感じた事が影響しているのかもしれません。

■jacques lu cont
最も新しくリリースされた「where else is there」のシングルに彼のremixが収録されています。
「les rythmes digitales」や「zoot woman」名義の方が耳なじみのある方は多いかもしれません。
実はおおよそ五年ぶりの活動の活動になるわけですがその周辺の事情については興味深い点も多いので、また改めて彼の事は取り上げてみたいと思います。

■vitalic
エレクトロ・クラッシュの旗手。
「where else is there」のremixを担当しています。
つい先日「Electraglide」にて来日。

■black strobe
kitsune」からリリースした「itarian fireflies」がブレイク。
「royksopp」の出世曲「eple」のremixを担当。

■fatboyslim
いわずと知れた世界一有名なDJ。
「eple」のremixを担当。

■shakedown
「fatboyslim」門下で「at night」をブレイクさせ「kitsune」からもリリースしている彼。
「eple」のremixを担当。

■ernest saint laurent
CDリリースするほど成功した「mylo」以前の最後のフレンチのヒットメイカー。
kitsune」からのリリースもあります。
「remind me」のremixを担当。

「royksopp」の公式サイト。
ここでかなりの数の彼らの曲を視聴することができます。
http://www.royksopp.com/news/index.html

また近日来日するようなので、興味のある方は是非チェックしてみて下さい。
http://www.bounce.com/news/daily.php?C=6645
  1. 2005/12/19(月) 12:07:37|
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teriyaki boyz

A BATHING APEのNIGOが仕組んだ新しい遊びは、やはりとんでもないものだった。m-floのVERBAL、RIP SLYMEのRYO-ZとILMARI、そして(B)APE SOUNDSのWISEと組んだユニット、TERIYAKI BOYZのアルバム『BEEF or CHICKEN』には、ザ・ネプチューンズ、ダフト・パンク、ビースティ・ボーイズのアドロック、corneliusと目もくらむような豪華な顔ぶれが参加している。
http://magazine.music.yahoo.co.jp/spt/20051109_001/new

NIGOとRIPが組んで「何かやってるな~」ぐらいは認識していたのですが、なんとトラックメイカーのなかに「daft punk」がいるというのを今更知ってあわててチェックしてみました。

上のリンク先でそのトラックを試聴することができたので、さっそく聴いてみました。
一言で言うのであれば「daft punk」の3rdアルバム「human after all」の同タイトル曲のシンセネタをループさせたものに、彼らのラップを被せただけと言った感じ。
下手をしたら本当に同ネタの使いまわしの可能性すら濃厚です。

個人的には「RIP SLYME」の「GALAXY」×「daft punk」節なトラックだったら最高だなと思ってたんですが。
要はNIGOの金目当てなのか(笑)
  1. 2005/12/15(木) 12:59:47|
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kitsune

kitsune_texas.jpg

「kitsune」とは基本的にフランスのレコードレーベルです。

ただレコードに限らずさまざまなデザイン活動を柔軟に行っているところが他のレコードレーベルに比べて非常に独自であると言えます。
ごく最近では吉田カバンとのコラボのバッグや洋服などを販売していたようです。

ちなみに「kitsune」というのはもちろん日本語の「きつね」が由来となっています。
ただ正確には最後の「e」に「アクソンテギュ」と呼ばれる点(母音の発音の長さを表すフランス語の記号)がつくのですが、それよってフランスのレーベルである事を主張しているそうです。

その音楽性はと言うと、今「エレクトロ・クラッシュ」と呼ばれるパンクとテクノがミクスチャーした音楽が流行してきていますが、その火付け役としての一役を担っているのがこのレーベルであると言えます。

実際今のクラブシーンの主役である「Mylo」が今年のベストであると早くから太鼓判を押している「texas」と言うトラックも、この「kitsune」からのリリースです。

そしてこの「kitsune」を主にマネージメントしているのは「daft punk」の元マネージャーである「gildas」と彼と意気投合したパリ在住の日本人建築デザイナー「masaya」の二人です。

ゆえにこのレーベルには開始当初から「daft punk」にゆかりのあるアーティストが多数参加しています。
特に「man with guitar」というアーティストは「daft punk」の変名ユニットであると言うのがもっぱらの噂です。
(個人的にもこのレコードのジャケット写真の少し天パがかったノッポとちょっと恰幅のいい背の低い男と言う組み合わせが、どうにも彼らにしか見えません。)


訂正
Jacques Lu Cont」こと「Stuart Price」がプロデュースを担当しているMadonnaの新譜「Sorry」に「Man With Guitar remix」なるものが収録されていることからも、どうやら「Man With Guitar」=「Stuart Price」で間違いないようです。

一方でこのレーベルからの記念すべきファーストリリースが「テイ・トウワ」であったりするのも、日本人としては興味深い事実です。
加えて「FPM」もこのレーベルからリリースをしています。

また伊達にデザイン活動を行っているわけではないと思わせてくれるのはレコードのジャケットのデザインなどであり、非常におしゃれで独自のセンスに溢れています。

つい先日「mondo grosso」として有名な大沢伸一氏によって、この「kitsune」のコンピレーションCDがこの日本で発売されましたが、そのCDもまたプラスチックケースの周りをフェイクファーの袋で包むという非常に凝った作りになっています。

また「kitsune」のなかでもより柔軟なライン、特に新人などの作品をリリースしている「kitsune maison」シリーズのジャケットデザインは細かい落書きの集合体で構成されているのですが、その中にどうみてもキン肉マンにしか見えない落書きがあるのを見つけました。
その辺りに「kitsune」の遊び心がよく現れていると思います。

そしてこの「kitsune」を通じて、「daft punk」、「mylo」と、テイ・トウワ、FPM、大沢伸一といった日本のハウスを担ってきたアーティストたちがリンクしてくるのが個人的には非常に興味深いところです。

追記
ついにはその大沢伸一氏までも「kitsune」からのリリースが決まったようです。
(厳密にはremixなんですが。)

詳しくは大沢氏のblogにて。

「masaya」氏によるインタビュー
http://www.jetsetrecords.net/columns/interview/58.php

他にもいろいろと「kitsune」について興味深い記事を書いている方がいらっしゃるので、勝手にリンクしてみます。

「ウラデイブレ」
http://blog.livedoor.jp/rtrtrt26/archives/50203705.html

「二而不二」
http://blogs.dion.ne.jp/lying_low/archives/2425490.html
  1. 2005/12/06(火) 16:32:02|
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