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主にフランスの流れを汲むクラブミュージックに関する雑記です。

ROULE 306 THOMAS BANGALTER "Trax On Da Rocks Vol.2"

roule306

THOMAS BANGALTER "Trax On Da Rocks Vol.2"

Rouleから初めにリリースされた「Trax On da Rocks」の第2弾です。
A面3曲、B面2曲と言った構成も同じで、中身の曲自体も多種多様で非常に似かよった作りになっています。
当時は今まさにフレンチハウスブーム黎明期でありあまりにもそのシーンを無視したトラックが多いので、Vol.1ほどは売れなんじゃないかと思います。

あとプロモ盤のみでこの「Trax On da Rocks」のVol.3があり、「Daft」と交流のある「Armand Van Helden」なんかがプレイしていたと言う噂を耳にしたことがありますが定かではないです。

A1:Club Soda

vol.1の先頭トラック「On The Rocks」の流れを汲む、まったりとしたムーディーなトラック。
イントロのソーダ水を注ぐ音が面白い。

A2:Extra Dry

逆に一番今っぽいかもしれないトラック。
マッドなシンセフレーズがはねまくります。
いっそ3rdアルバムのトラックより格好いいかもしれないです。

A3:Shuffle!

形容が難しいですが、ひたすら反復&ローテンションの地味なトラック。
強いて言えばDemonのレーベル20000STとかそっち系でしょうか。

B1:Colossus

A面が何だったのかと思うような馬鹿ディスコフレンチハウス。
当時は一番フィットしていた気もしますが、もう今聴くと恥ずかしいぐらいです。
Bob Sinclarとかそっち系の雰囲気。

B2:Turbo

「Texas」ばりのロールと言い、A2:Extra Dryと同系のマッドなテクノトラック。
これも今かえって使えそうな感じです。
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  1. 2006/05/09(火) 12:52:38|
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SCRATCHE 701 THE BUFFALO BUNCH "Buffalo Club"

scratch

THE BUFFALO BUNCH "Buffalo Club"

DONNA SUMMER "Bad Girls"(サンプリング元)

「We In Music」のメンバーといった方がおなじみかもしれない「Raw Man」と「Daft Punk」の「Guy-manuel」の弟「Play Paul」のユニット「The Buffalo Bunch」の記念すべきデビュー作です。

もしかしたら新人もデビューさせて行きたいと言った意向をまだ「Thomas」自身が持っていたけれども、「Music Sounds Better With You」の爆発的なヒットによって「ROULE」の注目度が上がりすぎてしまったことが、このサブレーベル設立のきっかけだったかもしれません。

ただ結果的にはこれが「SCRATCH」からの最初で最後のリリースになっています。
その後この「The Buffalo Bunch」は「Guy-manuel」のレーベル「Crydamoure」からリリースしたりと、その役割は「Crydamoure」の方が果たしたようにも見えます。

またその後「The Buffalo Bunch」名義では最も大きなヒットとなったかもしれないのが「Phoenix」の「if I ever feel better」のRemixです。

この「Phoenix」の「if I ever feel better」は原曲はもちろん「Daft Punk」の2nd「Face To Face」でコラボレートした「Todd Edwards」のRemixもまた素晴らしいのですが、当時クラブで最もヒットしたのはこのRemixだったようです。
(これは梶野氏のmixCD「De La Musique」やフレンチの日本向けコンピレーション「My House In My House in Montmartre」にも収録されています。
実際に当時来日した「Daft Crew」達はほぼ必ずピークにてプレイしていたように思います。)

また彼らは非常にシーンの変化に敏感で、今は割と当たり前になりましたがディスコトラックにディストーションギターの音をフィーチャーしていったのはおそらく彼らか、同じく「Crydamoure」からデビューした「Archigram」辺りだったんではないかと思います。

そして「Raw Man」の方は割とその流れを継承し、サンプリングよりもシンセフレーズを押し出したエレディスコな感じにゆるやかにシフトして言ったのに対し、「Play Paul」はがらっと芸風を変えてあの「DJ Hell」が仕切る「Tiga」、「Vitaric」、「Justice」等々枚挙に暇がないほどにエレクトロクラッシュの中心的なアーティスト達を輩出した「Gigolo」へと、まさに彼等が台頭してきていたその同時期に転身しました。

そしてそれはまた単にブームに乗っかったと言うだけでなく、実際にその「Gigolo」からリリースされた「Love Song」は「Mylo」の「Drop The DJ Mix」にも収録されていたり、またシカゴハウスの「Green Velvet」の名曲「La La Land」のカバーも非常に話題を呼んだようにしっかりとした評価を受けています。

最後にこのトラックについてですが、割と「Daft Punk」やその他のDJmixなんかに割と収録されていたりしてそれなりのヒットになったようです。
ただやはり当時のローファイなディスコサンプルによって構成される上ものが、シンセ全盛の今にして聴くとどうにも野暮ったく感じてしまうのはやむない感じです。

ただマイペースに自分の好きな音を貫くのではなく、シーンの動きに敏感な彼等の作るトラックだからこそ、少し間をおくと古びた印象を与えてしまい易いものになってしまうのかもしれません。

以下試聴。

buffalo bunchのサイトの試聴用flash。
パートごとにフェーダーでmixして遊べるようになってます。
Remix含め彼等名義のほとんどの曲が聴けます。
http://www.buffalobunch.com/mix.htm

if I ever feel better / Phoenix
http://www.excite.co.jp/music/song/0724389714258

Love Song / Play Paul
http://www.cisco-records.co.jp/cgi/title/house/detail_118057.php

La La Land / Play Paul
http://www.cisco-records.co.jp/cgi/title/techno/detail_134940.php

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  1. 2006/04/10(月) 16:36:02|
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ROULE 305 RMX STARDUST "Music Sounds Better With You"

前回紹介した「Music Sounds Better With You」のREMIX盤です。
「Technique」系列の中古レコード店「spice record」の3Fテクノ棚のインデックスSのところにこないだまで転がっていたので、もし興味があればどうぞ。

Chaka Khan "Fate"(サンプリング元)

■Music Sounds Better With You (12" club mix)

今までの流れと変わらずいたってシンプル、「Chaka Khan」の「Fate」と言うトラックのイントロからサンプリングされたネタをただただループさせたものに「Benjamin Diamond」によるボーカルが乗っかっていく構成です。

この曲の代名詞とも言えるのがサンプリングネタ中のカッティングギターの音です。
mash upとまではいかなくても、この音をサンプリングしたトラックは数多に存在した気がします。

ただ展開も割と単調で、サンプリングベースであまり音質も良好とは言いかねる質感に狙ってか狙わずかなっています。
ですので非常にエンジニアの仕事のしっかりしたjpopなんかに耳が慣れている人が突然聴くと「これでいいの?」って思っても無理もないような感じです。

■Music Sounds Better With You (radio edit)

先にリリースされた片面プレス版に収録されていた「12" club mix」を文字通りラジオや家聴きに適した形の3分前後に尺を縮めたバージョンです。
基本的に音自体に全く違いはないです。

■Music Sounds Better With You (Dimi & Bibi Anthem from Paris)

今や渋谷よりも秋葉原で有名になってしまった「Dimitri from Paris」と「Bibi」(こちらの方は残念ながら存じ上げません)によるremixです。

原型を留めないremixばかりの中、オリジナルをフロア使いしやすいようにした感じのmixです。
オリジナルを聞いてもピンと来なかったんですが、個人的にはこのmixでやられました。

おそらくゆるいフランジャーをかけて音程に変化をつけたスネアを並べなおして作られているグルーブ感がなんとも格好いいです。
「Daft」をはじめフレンチではよくフェイザー、フランジャー系のエフェクトが多用される傾向があるんですが、このmixもトラックの顔でもあるカッティングギターの音色にもまたフェイザーがかけられていて、オリジナルのギリギリとした質感から丸みを帯びた質感になっています。
(もしかしたらシンセで音を作り直しているかもしれないです。)

またこういった原曲を大事にしたremixの場合主にベースで原曲と差別化を図っていくことになるかと思いますが、このトラックの場合まさにそれがはまった感じです。
ほぼ展開のない平坦な原曲に比べきっちり抑揚がつけられているところも○で、「Dimitri」がDJ寄りのトラックメイカーであることが功を奏していると思います。

あと終盤に哀愁感たっぷりのストリングスが入ってくるんですが、これがグッと来るか野暮ったいと感じるかで好みが別れそうなところです。

■Music Sounds Better With You (32 on Red mix)

既におなじみ「Daft」仲良し「DJ sneak」によるremixです。
もう一つ「32 on Red dub」というバージョンもありますが、これも十二分にdubしてます。
ディスコなボーカルものを期待した人はあっけにとられたんじゃないでしょうか。
まだ多少メインのループが原形とどめていたり、ボーカルの使用も多めですがdubはdubです。

■Music Sounds Better With You (32 on Red dub)

基本的には先の「32 on Red mix」と似た造りですが、もはや完全に原型を留めてないです。
ボーカルもクリックハウス寸前まで刻まれて何を言ってるのかわかりません。
ただ「Daft Punk」の「Guy-manuel」のレーベル「Crydamoure」とかそっち系の音がOKな人はドンピシャかもしれません。
自分も購入当時は「Cryda」にはまってた頃だったので結構好きでした。

■Music Sounds Better With You (Chateau Flight Remix)

「i:cube」と「Gilbert」によるユニット「Chateau Flight」によるremixです。
「i:cube」はフランスのシーンの「Daft Punk」にとって先輩に当たる一人で、「i:cube」のトラック「disco cubizm」を「Daft Punk」がremixしていたりします。
(これは割とリリースが古いにもかかわらず、比較的最近の「FPM」によるmix「Sound Concierge #402」で使用されていたりとクラシックと呼んでいいような好remixになっています。)

トラックはこれまたかなりダビーな感じで、原形をとどめてないループとわずかな声ネタで展開していきます。
ただ「i:cube」とか「disco cubizm」とかネーミングにもなにかとおしゃれ感漂う彼らですが、やはりトラックもご多分に漏れず子洒落た質感になっています。
その辺りに「Alex Gopher」とか「Daft Punk」以前のフランスのテクノ、ハウスの人達に共通する質感を感じたりもします。
またそんなところが同じdub mixでも攻撃的な「DJ sneak」によるmixとの違いを出しているかもしれません。

  1. 2006/03/27(月) 12:36:25|
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